限られた敷地内に思い通りの庭造り。


Tさん宅

お庭作りが大好きなTさん。

ここだったら沢山花や木が植えられると新築したTさんでしたが、

現実には人が通るところも必要なんですよね。

と、思っていたよりも庭が小さくなってしまいましたが、

随所に奥様の希望を取り入れ、出来上がりは見ごたえ充分です。



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 全体的にグレーの多い住宅街の中、明るい雰囲気のTさん宅があらわれます。 
 ここは池袋から車で5分位なのに、本当に静かな住宅街。

 これは施工直前の写真。
 前面部分はお客様用の車庫にもなるスペースですが、奥様提案の中央花壇とサイドも10センチ位空いていてかなりの植栽スペースになります。



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 出迎えてくれたのは「ようこそ!」と言わんばかりの鮮やかなパンジー達。風邪をひいた奥様に代わってだんな様が植えてくれたそうです。
 「私はもっと色にこだわりたかったんだけど主人はそんなの構わず全色買ってきて植えてしまって・・・。
 でも近所のお子さんが、パンジーで「キイロ」「シロ」とか色の勉強をしているのを見たら、ほほえましくて・・・」
 ご主人の努力の甲斐もあって、とっても素敵です。足取りも軽やかになりますよね。

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 訪れたとき、奥様は庭で水遣りをしていらっしゃいました。
「あら、いらっしゃたの?遅いから来ないかと思っちゃったわ。・・」

マズイです・・・時間を間違えました・・・。

 しかしながら・・・奥様は全然気にしない様子で、「どうぞどうぞ」と、私たちを優しく出迎えて下さいました。
ほんと、ごめんなさい。



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 第一印象は・・素敵なマダムという感じでしょうか。お話したら、とても気さくな方でした。

 ガーデニング好きの奥様は、石和温泉から帰ったばかり。
そこでも、大好きな樹木を仕入れてきたとのこと。

こちらは、夏の写真。

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 奥様がこだわっていらっしゃった、ラチスフェンス。しかし施工するには、問題がありました。柱の間からでているのは後ろに立っている万年塀(1.8m)の控えです。

 普通なら柱は1本なのですが、この控えにより2本立ててフェンスもその長さに合わせて切ってあります。

 この辺がプロのお仕事ですね。指摘されなければ全然わかりませんでした。

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「おじゃましまーす。」
洋風な鋳物の門扉も素敵です。

 これは親子扉といって、一枚が80cm、もう一枚が40cmの扉二枚で構成されています。

 さん邸は前面の幅が、約2mなので、どっしりとしたレンガの門柱を両側につけています。それで、このサイズの門扉になるわけですね。

 人が通るには60cm必要ですので、90cmあれば、十分通ることができます。

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 こちらも夏の写真。
 それにしてもこのアプローチ長いと思いませんか。周りの緑を楽しみつつ、家に入るなんてとても贅沢な気分ですよね。
 実際の距離よりもとても長く感じるその訳は・・・?。
 森さんこだわりのRのアプローチ。このゆるやかな曲線がかなり効いています。
 森さんの会社のプランは、実は2番手とのことですが、このアプローチといい、すべてが奥様のイメージにぴったりだったんですって。ほとんど変更なして即決だったそうです。

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 もう一つ、贅沢な気分をかもしだしているこのレンガ。
 どっしりしていて趣きがありますね。さん邸は、門柱からアプローチ脇もずーっとこのレンガで続いています。

 余談ですが、焼き過ぎレンガは本当に焼いているので同じ色のものって難しいらしいんです。数年後、今度は同じレンガで別の部分を施工したいと思ってもなかなかめぐり合えないらしいですよ。

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 砂岩石も素敵ですね。きれいにカットされ、収められていて、職人技が光ります。 

 砂岩とレンガと植栽の色のバランスがとてもいいですよね。

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 奥様が庭に出ていると、近所の方や見知らぬ方が、

「きれいですよねえ。いつも楽しみにしているんです。」と、言われるそうです。

「プレッシャーかかってしまって・・・。
次は何をどんな風に植えようかって考えてしまいます。」 

 ステキな話ですね。

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 玄関先にはまたもやお出迎えのお花が・・・。奥様のセンスが家にも、庭にもあちこちに飾ってあります。

 ガーデニングに目覚めたのは、ここ2〜3年とのこと。最初はご主人の方が植木好きで、とにかく沢山買ってくるんだそうです。

 現在の新しい家は、庭が欲しいから建てたとか。う・・・うらやましい・・・。 







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リビングから、坪庭をみたところ。
 なごみますね。

 くまのプーサンもお庭を見てご満悦。

 ご主人も、ここから見るお庭が、大好きなんだそうです。

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 うわぁー、かわいいお雛様!!取材当日は3月3日。下のほうのたんすなど、本当に開いたりするんですって。
 左はうさぎのお雛様。

「わたし、うさぎが大好きなんです。」と、奥様。

「お庭の蛇口もウサギにしましたよね。」と、森さん。

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 こちらがその蛇口。

「ガーデニングってほんと水遣りが大変!夏場は特にね、どうしてこんなことにはまっちゃったんだろうって・・・。」

 でもうさぎの蛇口なら、そんな悩みも軽減されるんでしょうか?
 悩み事も、なんだかうれしそうです。

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 こちらはお茶室。

 奥様は、お茶をなさっているんですね。

 やはり・・何かが違うと思った・・・。 

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 窓の外は和の世界が広がっていました。

 灯篭に蹲(つくばい)。

 水鉢にはつばきの花が浮かんでいます。

 この庭をみながらお茶をいただくなんて、日本人に生まれて良かった!って喜びを感じることでしょう。

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 ご主人は、毎日つばきの花を数えているんですって!!

「本当は茶花に使いたいんだけど、主人が数えているから切れないんです・・・。
お茶の先生が、あれ使ったらっておっしゃるのですけど・・・。」

 数えられたらごまかせませんね・・。ご主人は本当にお好きなんですね。







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 なんと、土瓶みたいな焼き物は照明です。

 照明のそばには、瓦が刺さっています。この瓦のリズム感がなんとも良い流れを出しています。

 これからは夜に庭を楽しみたいので、もうちょっと明るい照明を付けたいそうです。

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 エアコンの室外機も、竹に隠れて、覗き込まないとわからないようになっています。 

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 玄関脇から歩いていくとこんな感じ。
少し赤みがかった砂利と敷石、タマリュウのバランスがとても素敵ですね。





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 この濃茶〈焼杉)の板は、オリジナル物。

 間に濃茶の板を入れることで、引き締まった印象になりますね。

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〜番外編〜

 アプローチには、とってもかわいい倉庫がありました。

 こういう倉庫なら、アプローチに立っていても雰囲気を壊しませんね。何が入っているのか覗きたくなります。

 でも、奥様は屋根の色が気に入らないそうです。夏は、この屋根をツタで隠しているとか・・・ここにも『こだわり』です・・・。

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 表札・インターホン・ポスト・門扉の色は、玄関やサッシの色の黒で統一。

 よーく見たら、ふくろうがとまっていて、
「また来てね!」と言っているみたい。

 奥様の楽しいお話が聞けて、あっという間に時間が経ってしまいました。

 こんどは、夏場のバラを撮りに来ます。
奥様、ありがとうございました。

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設計士のコメント

 Tさんのお宅の設計のポイントは、アプローチをどうするかにありました。
 問題点は、1.隣地境界の万年塀をいかに隠すか。
       2.車庫スペースをどうするか。
       3.アプローチをどのように変化させるか。
 以上3点を中心に基本設計をさせていただきました。私の提案を気にいっていただき、ありがとうございました。施工するときも楽しく仕事させていただきました。
 また、坪庭を創る際、色々と新しい提案を、受け入れていただき、遊び心あふれるお庭を作らせて頂き本当にありがとう御座いました。

 

ともこの感想


TOMOKO
197?年生まれ。

一応、一級造園施工管理技士の資格もってるんですけど・・・。使ったときがありません。単なるエクステリア大好き少女、(ではないか)です。

 エントランス部分の洋風なガーデンは、アプローチをRにしたり、連続したフェンスなどで奥行きを広く見せ、それに奥様の草花が明るさとワクワクするような気分を与えてくれます。

 それとは正反対に、和室前の庭は、素材や小物など細部にまで工夫が凝らされ、すーっと心落ち着く感じ。

 面積的にそんなに広くはないのですが、こんなに庭って楽しめるんだなあ、と庭の魅力の奥深さを感じました。

 建物と違って、庭は年を重ねるごとに素敵になっていくと言われるのですが、それには住む人のセンスと努力が大きく左右するのでしょうね。


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