昔からの井戸をビューポイントに


I さん宅

今回はポンプで汲み上げる井戸があるとのこと、実際に見るのは初めてなので、楽しみです。

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 冬から始まったこのシリーズも、待望の春の取材を迎え、取材の日を心待ちにしておりましたが、残念ながらあいにくの雨。

 しかし木々達はうれしそうです。生垣(ヒサカキ)の緑もひときわ明るくみえます。

 生垣が成長してくると下のほうが空いてくるのでこのようにボリュームのある葉物を入れて上げると2段の植栽になって、見た目に美しく、ゴミや猫などをガードできますよね。

 

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 こちらが、門周りです。

 リブブロック8段なので、1.6mあります。これだと、とおりを歩いている人の視線は、完全にシャットアウトできますね。

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門を入って右側の風景。

生垣も元気に育っていますね。

 こちらから、お庭に出られるんですね。

 奥に車庫がありますので、車を降りてから玄関に通じる道でもあるんですね。

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 おじゃましまーす。

 玄関横のリビングに案内されましたが、入ってすぐにオルガンと電子ピアノがありました。

 ― 奥様は音楽をやられているんですか?

「そうですね、仕事が音楽関係なんですけど・・・」

 ― へええ、オーケストラやテレビとかにも出ていらっしゃたんですか・・・。

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 奥様の洗練された雰囲気は、そういう世界にいらっしゃったからなんですね・・。

 流れるようなシルクのドレスも似合いそうな感じ・・。

 お部屋の中も、こだわりグッズがいろいろ。クッションとか椅子も、かわいいでしょう?ひとつひとつ、こだわっていますよね。

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 お話を伺った、応接間からの風景です。

 株立ちのヒメシャラが、雨にぬれて風情があります。

もう少しすると、白いつばきのような花が咲きます、別名夏つばきというらしいです。

 ただ、花は一日しか持たないので、咲いたらすぐ落ちてしまうそうです。はかないですね。

 音楽を奏でながら庭を見る・・・なんて優雅な生活なんでしょう。うらやましい!!

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 左側をみてみると、ヒメシャラのとなりにもう一本シャラの木がありました。

 奥のように、蹲(つくばい)らしきものがありますが、こちらがうわさの井戸でしょうか?

 飛び石は、立て替え前にもともとあった石を再利用。

 年季が入って趣がありますね。

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 早速、庭に降りてみていいですか?

 応接間の靴脱ぎ石と、飛び石です。芝生と白砂利のコントラストが、きれいですね。

 飛び石の隙間に、角材の御影石を置いて芝生をしっかりガード。

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 敷いた石のテンポがいいですね。

 何か音楽に通じるような・・・?

 こちらが丸の御影に対して、奥は長方形の大谷石を組み合わせています。

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 反対側から眺めた様子。

 雨が降っているせいか、芝の緑がいつもより濃く、苔のように見えますね。

 和風のお庭は、雨がよく似合いますね。

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 多分、大谷石だと思うのですが・・・。ちょっと自信がありません。いずれにしても凝灰岩。火山灰などが積もってできた石。耐火性に優れているそうなので昔は塀に使われていました。

 今は重いのでめったに使われないですけど、見た目が温かく、やわらかさがありますよね。

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 とんとんと飛び石をわたっていくと、樹形が美しいシラカシの木。
シラカシの前には、御影のバーが横たわって、アクセントになってますね。

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 こちらが井戸。

 蹲に見たてているんでしょうね。中央の井戸が水鉢がわり、左右の大きな石が手燭石、湯桶石でしょうか?

 お茶の世界の、流れなんでしょうね・・。

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 これが井戸です。

 こういうポンプ式のものは、モーター式と違って、災害時に地域の水供給ができるとのことで、区に登録されているんだそうです。

 「立て替えのとき、この井戸をどうしようかと迷いましたが、思い切って残すことにしました。今では枯れないように、水やりなどできるだけこの水を使うようにしています。ちょっとした運動にもなりますしね。」

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 こちらが奥様です。

 ブルーのニットとスカーフを とても上品に着こなしていらっしゃいました。奥様の素敵さに、一瞬見とれてしまいました。

 お気に入りの井戸の前でパチリ、紳士の森さんが、必死に雨から奥様を守ります。

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 私もやりたい!!

 初めてのポンプ式井戸体験に、興奮気味な私。

 水質を保健所で調べてもらったら、「とてもよい水」と言われたんだそうです。

でも、飲めないのが残念。おいしそうなのに。

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 ケロケロケロ・・・どこかで聞こえますが、これは置物です。

 本物の仲間が、どこからかこの水場にやってくるそうです。
 こんなにおいしそうな水があったら、その気持ちもわかりますね。

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 井戸の方から車庫を見ると、こんな感じ。2台分の車庫スペースで、一台は息子さんの車、もう一台はお客様用。
 奥様、たっての希望で、枕木を敷いたそうです。

 「雨でなければ、ここで椅子とテーブルを出してお話したのに・・・。とても気持ちがいいのよ。」

 残念そうな奥様。

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 枕木と芝のコントラストが、とってもきれい・・・。
 雨が、つややかな印象を与えてくれますね。

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 こういう角度でみると、洋風な庭に感じますよね。

 コノテカシワが、これまた元気に育っています。
 まだまだ大きくなりますよ。

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 こちらが、奥のリビングから車庫を眺めた景色。

 車も、道路をとおる人や自転車も、ぜんぜん見えません。

 2本の木が、うまく目隠しをしてくれています。

 

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 こちらも、リビングからの景色。

 お隣の家の大きな木が、背景となって、木々に囲まれているみたいですね。

 本当に、素敵な眺めです。

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 奥様のアレンジ。

 本当は、この横で対談するはずでした。

 残念です。

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設計者のコメント

 様には、新築のとき、車庫の工事、今回(庭工事)と都合3回工事をさせていただきました。いつもありがとう御座います。
 
 今回の工事の主題は、
1、ポンプ式の井戸をどうしようか?
2、来客用の駐車スペースを作りたい。
3、裏の家(2F)からの目隠しを考えてほしい。
4、庭全体をまとめて欲しい。
5、既存の石や木を生かして欲しい。

 以上のご要望に対して、
1、井戸がお庭の奥の方にあるので、周りを背の高い木で囲んで森のようにする。    背の高い木が入ることにより、裏の家からの目隠しになる。
2、既存の靴脱石、飛び石、景石他を使い井戸周りを山の中の雰囲気にする。
3、来客用駐車スペースは枕木を使って確保する。枕木の間に芝生を入れることに より、車のない時には芝生の庭と一体にし空間を有効に利用する。
4、既存のコノテカシワを、ブロック塀沿いに移植して塀の目隠しとする。
5、家の際まで芝生にすると管理が難しくなるので、飛び石を利用して砂利と芝生を 分離する。
6、芝生の庭の中に落葉樹(シャラ、ヒメシャラ)を植えて、道路からの目隠しを諮る と同時に、庭全体の奥行きを演出する。

 上記 コンセンサスに従ってお庭の作り直しをさせて頂きました。 
 お庭に出てお茶をいただくと、すごくのんびりして幸せな気分になりますね。
 次回天気のいい日にお邪魔させてください。

 
ともこの感想

TOMOKO
197?年生まれ。

一応、一級造園施工管理技士の資格もってるんですけど・・・。使ったときがありません。単なるエクステリア大好き少女、(ではないか)です。

 クローズ外構なので道路からはお庭がどうなっているかあまりわからないのですが、入ってびっくり、趣のある石と白砂利と芝が絶妙のバランスで静かな空間をつくりだしていました。

 和と洋の両方の雰囲気を感じましたが、今回雨の日だったので、和の雰囲気が濃い写真になりましたよね。

 晴れのときはまた違った顔をみせてくれるのではないかと思います。これも庭の醍醐味でしょうか?

 さん邸の樹木はどれも見本のように元気で樹形が美しいものばかりでした。

 美しい奥様に育てられるとこうなるんでしょうか?それとも良い音楽を聴いているから??



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