「水はけの気持ちいいエクステリア」

Mさん宅

Mさん邸は車庫部分の、道路と宅地の高低差は、−40cmから−1.2mまで。宅地全体では、3m以上のところもある宅地です。
 塀など全て再利用しようと考えていましたが、大谷石の塀は地震等で崩れる可能性もあるので取り払って前面部分をリフォームすることにしました。 

スペックさんとの出会いはなんと今から16年前で、前の家の外構を担当したそうです。今回、ハウスメーカーさんから紹介された業者さんからの提案もあったのですが、デザイン上ゆずれない点があって、森さんが解決したそうです。それは・・・

横から見ると道路から、一番高いブロックは2m40cm以上あります。M さんは道路からブロックを立てて外からの目線を遮断したかったのですが、ブロック塀の高さはせいぜい2mまでなので無理と言われ、「ブロック+フェンス」案、「板塀で遮断するとか」案が出たそうですが、どれも気に入らず諦めていたそうです。そこで、「以前外構をお願いした森さんに相談してみよう」とお願いしました。

 
   
 
 
   
 

森さんの提案では、「前面に低いブロックで花壇を作り、その後ろに塀を作成すれば、2m未満になります。」という内容。「他の業者さんから絶対にできないと言われていたので、スペックさんの提案で悩みが解消されました。また花壇を作ることで道路のキワから2m以上の壁を作るよりも高さが緩和されて、そんなに圧迫感もないように感じます」と最初の提案で気に入ったそうです。

「それと、従来の駐車場が水が溜まっていたので、それがとても気になっていたので今回は絶対水が溜まらないようにとお願いしました。」とM さん。写真は車庫の全体像、水勾配がわかります?

 
   
 
 
   
 

M さんの要望に対し、森さんは「本当に水はけの面は苦労しました。前面が坂道で下がっているのですが、引戸のレールは、水平にしなければなりません。しかし、水平部分を作ると水溜りの原因になります。その為、レールの勾配をつけたり、レールの下に水抜きをつけたりしました。ちょっと見ただけだとわかりにくいところも細かく設計しています!」

取材当日は土砂降りの雨でしたが、全然水が溜まっていません!さすが!森さん。長い間取材しているのに「引戸のレールが水平でなきゃ引戸が上手く動かないってこと知らなかった・・当たり前だけど・・」とちょっと反省。

 
   
 
 
   
 

門袖部分です。埋もれている部分もありますが、ブロック8段に笠木で1m70センチあります。下の部分は角に水が溜まらないように角のところを盛り上げて下に水が流れるようになっています。こんなところも一工夫。

片開きの門扉と引き戸のセットにしています。普段は右側の扉を開閉して出入りをします。車の出入りの時に引き戸を使いますが、レール仕様なので女性でも軽くてとても開けやすくなっています。「レールも車輪もステンレスなのでさびないのでとてもいいです。ほこり等でツマルことがあるかもしれませんが、たまに掃いたりすれば問題ありません」とのこと。メンテナンスもしっかりPR。

 
   
 
 
   
 

この門扉を決めるのに家族会議を開かれたそうです。「実は建物はトステム製なので、ブラウン色に合わせようと思いましたが、三協アルミさんの商品が良かったので色の選択に困りました。同じ色でも微妙に違うのでダークブラウンにするか、アーバングレーにしようか・・。結局グレーにして良かったですね。サッシの色と合わせたらちょっと暗くなっていたかもしれません。」M さんは同じタイプの商品を近所で探して決めたそうです。なかなかカタログではわかりにくいですものね?

扉は80センチの幅があるので、人が通るには十分ですね。あっ、いつもの・・・

 
   
 
 
   
 

戸当たりゴムも発見!これがあるのとないのではかなり違います。これももうお馴染みですが、森さんのこだわり。

アプローチは最初の設計は玄関ポーチと同じタイルを使うつもりでしたが、300角のタイルを並べるとどうしても直線的になってしまうとのことで、何度も修正して、結果的に石貼りにしました。

 
   
 
 
   
 

こちらは玄関側から見たアプローチ。ラインがとてもきれいですね。他の業者さんでもRのラインでアプローチを作成されたそうですが、流れが自然で、左右対称ではない美しいラインであることが森さんのこだわりだそうです。ほんとキレイです。

この大きな四角い風情のある石。実は内緒ですが、歴史のあるいわくつきの石だそうです。この石を今回どのように利用するかを悩みましたが、結局玄関脇に配置し、小さな和風庭園を作りました。訪問してくる人を迎え入れるのにも、趣を感じさせます。

 
   
 
 
   
 

そして、この石の空間のおかげで、うまくアイストップになり、奥にあるブルーのフェンスなどがあまり気にならなくなっています。私も写真を撮ってから気づきました。なかなかうまい使い方ですよね。

こちらは玄関ポーチ反対側の花壇。高さは階段とあまり違わないようにして、あくまでも自然に配置されています。

 
   
 
 
   
 

お隣の塀の隠すために、コニファを配置。コニファは成長が早いので1年もすれば、隣の塀の部分まで高くなるでしょう。もうちょっとの辛抱です。

設計者のコメント

16年前のお客様から、声を掛けて頂き凄く幸せです。しかも、他の業者さんの解決できなかった問題が解決できラッキーでした。
さて、今回のポイントは、前面道路が急勾配で、尚且つ、敷地と道路の高低差もかなりあるという点でした。
実際に、アプローチ開口部の左右の高低差が正面左でGL−400,右でGL−800でした。引戸のレールを水平保ちながら、スムーズな車の出入りと歩きやすいアプローチを実現するのに苦労致しました。最終的に、シンプルなデザインでありながら色々な問題が解決でき幸せです。Mさんにも満足頂け感謝しております。Mさんありがとうございました。

ともこの感想

スペックさんのHPを担当している「ともこ」です。普段はソフトのインストラクターをしていますが、エクステリア好きなので、趣味で取材させて頂いております。

取材当日は昨夜から続く、激しい雨でしたが、森さんの施工の確かさが際立つ取材になりました。M さんの要望どおり、水溜りがひとつもできていなかった現場が見れたので、森さんの言葉の説得力が増しました。改めて尊敬しました・・・。(褒めすぎですか?)

こういう設計は施工する職人さんも大変なのでしょうね?きれいに仕上がっているので、職人さんの心意気みたいなものも感じました。素敵に出来たエクステリアが実は雨の日は水溜りが出来るなんて、ちょっと悲しいですよね。なかなかそういうところまで気が回らないですが、設計を依頼する時は雨の日対策をお忘れなく!